今回は、バンドワゴン効果とは逆の心理効果であるスノッブ効果について解説していきます。
スノッブ効果とは?
スノッブ効果の前に、「スノッブ」(snob)とは、
〈自分より社会的,経済的に上の階層の人にあこがれ,そのまねをしたり,仲間入りをしたがる人〉を意味する英語。
引用元:平凡社 世界大百科事典
となっています。
また、「snob」という言葉の発祥とされるイギリスでは、下の階級の人間,育ちや趣味の悪い人間を指す侮蔑の意味も込められています。
そして、スノッブ効果とは、
人と同じものではなく、他人とは違うユニークで珍しいものが欲しいと考えることから、希少な商品やサービスの需要が増加する効果。
のことです。
スノッブ効果は、誰にでも少なからず当てはまるものです。
あなたも、「世間であまり知られていない名店を知りたい」「ハイブランドの服が欲しい」「まだ無名のアーティストを誰より先に発掘したい」などと思ったことはないでしょうか。こうした、「人とは違うものが欲しい」という心理、または「みんながもっているものなら欲しくない」という心理こそが、スノッブ効果なのです。
スノッブ効果は「他人から自分を差別化したい」という欲求から起こると考えられています。
具体例

テレビや新聞、インターネットなどの広告で、スノッブ効果は良く使われています。
- 期間限定商品
- ○○(地域)でしか生産できない貴重な食材をしています
- 先着100名様だけにプレゼント!!
- このCMを見ている方にだけ特別な情報を紹介します。
上記のような広告を見たことのある人は多いでしょう。
また、スノッブ効果は商品やサービスに対してだけではなく、日常の様々な場面で働いています。
例えば、「売れないミュージシャンや芸術家、最近で言えばYoutuberなどを応援していたが、人気が出て売れると、ファンを辞めてしまう」という経験はありませんか?
関連する心理効果
バンドワゴン効果
私たちは、人と同じことをして安心したいという気持ち(バンドワゴン効果)もありますが、人と違うことをして自分の個性や優越性を確保したい気持ち(スノッブ効果)も合わせもっています。
だから、バンドワゴン効果とスノッブ効果という真逆の心理効果が存在していても、矛盾しているわけではないのです。
アンダードッグ効果
スノッブ効果は、アンダードッグ効果と少し似ていますが、ニュアンスが異なります。
アンダードッグ効果は「人気がないものに同情して応援してあげよう」という心理ですが、スノッブ効果は「他人と自分を差別化するために、人気がないものが欲しい」という心理なので、スノッブ効果は自分が主体であることが分かります。
ヴェブレン効果
他人と違うものを望むスノッブ効果に対して、ヴェブレン効果は高価なものを買いたくなる傾向です。
ブランド品を欲しがる人たちの心理には、貴重なもので他人との差別化を図るスノッブ効果と、高価なものに価値を感じるヴェブレン効果の両方が働いていると考えられています。
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