今回は、夫婦間のルールについて、アドラー心理学の観点から解説していきます。
アドラー心理学では、ルールをとても大切にしており、夫婦間の様々な問題も、ルールを明確にすれば、なくなることが多いのです。
守られるルールの条件について知りたい方はこちら
夫婦間でルールを作る
ほとんどの夫婦は、多かれ少なかれ何かしらの問題を抱えていると思います。
そんな問題を解決するのに役立つのが、夫婦間のルールです。明確なルールを決めている夫婦は少ないのではないかと思います。
理由は色々あると思いますが、「家の中では自由に過ごしたい」と思っている人が多いのではないかと思います。
例えば、夫婦の仲が悪くて、何とかしたい(離婚はしたくない)場合を考えます。
まず、両者の不満を明確にします。ただし、「相手が冷たい」とか、「何となく邪魔」みたいな、精神的な不満ではなく、「テレビを消さずにどこかに行く」とか、「帰宅が遅くなると、作った夕食が無駄になる」などの具体的な不満を考えます。
たいていの場合、あまり深刻な不満は出てきませんし、普段から愚痴ばかり言っているような夫婦でも、具体的な不満となると、そんなに多くは出てきません。
お互いの不満が明らかになったら、次に、相手にしてほしいことを考えます。
妻から夫への要求の例
・帰宅が遅くなる時には、午後6時までには連絡してほしい
・テレビのある部屋から出る時は、テレビを消してほしい
夫から妻への要求の例
・1週間に1度ぐらいは家の掃除をしてほしい
・家に友人(ママ友など)を呼ぶのは、平日だけにしてほしい
上記のように、双方のバランスがとれているようにして、一方だけが圧倒的に不利にならないように注意します。
そして、双方の要求が書かれたものを契約書として、夫、妻と立会人(カウンセラーなどの専門家か、中立の立場の友人等)の3人が契約書に署名捺印し、三人ともが契約書を保管します。
この契約書によって、双方の権利を平等に制限します。
平等に、というのが大切で、一方だけが権利を制限されていると、不満が高まりますが、双方が同じぐらい制限されていると、「仕方がない」と思えます。
逆に、平等に権利を制限しても相手が不満を言う場合は、相手が精神的に幼い可能性が高いため、他の方法も試したうえで、改善が見られないなら、傷の浅いうちに離婚した方が賢明かもしれません。
この契約書は、お互いが快適に過ごすために、お互いの権利を一部制限するもので、本質的には憲法や法律と同じです。
そして、契約書を作った直後は、意識的にルールに従って暮らさなければならないので少し面倒ですが、2,3か月も経てば、それが自然な状態となり、もはや契約書は必要なくなるでしょう。
ルール違反はどうするか
ルールを作っても、それを守らない人もいます。これは、夫婦間のルールでも同じことです。
もし、一方が夫婦間のルールを破ったとしても、夫婦だけで解決しようとせずに、立会人(契約書を作成した際の)を間に挟んで、三人で考えます。
一人間にいるだけで、かなり夫婦喧嘩になりにくくなります。
そして、ルール違反があった場合は、感情的に怒るのではなく、あくまでも冷静に、違反者に罰金を科します。
罰金の金額などは、ルールを違反していない方が決めます。この際、あまりにも違反の内容に対して、罰金の金額が重すぎる場合は、立会人が一緒に考えます。
なぜこのように、事務的に進めるのかと言うと、人間は愛の問題を理性的に考えられないからです。
「恋愛は人を盲目にする」という言葉があるように、人間は「愛」に関して理性的に語ることができません。
しかし、お金の話なら、多少は理性的に考えられます。だから、夫婦間の問題をできるだけお金の問題として捉えることで、感情的にならず、理性的に問題を解決できるようになります。
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ルールの改正
何度注意しても、罰金を科しても守られないルールがあったら、それは守らない人が悪いというより、ルールそのものが悪いことが多いです。
だから、あまりルールの遵守にこだわらずに、ルール違反が続く場合には、ルールを改正した方が良いです。
そして、ルールを何度も改正しても、相手が全くルールを守ってくれない場合は、潔く離婚することを勧めます。
2,3回ぐらいなら気長に付き合ってあげても良いと思いますが、10回以上ルールを改正しても、一向にルールを守る気がない場合は、そういう人間だと諦めて付き合っても、一生快適に過ごせない可能性が高いので、素直に離婚した方がいいでしょう。
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