今回は、認知バイアスの一種である現状維持バイアスについて解説していきます。
現状維持バイアスとは?

現状維持バイアスとは、未知のものや経験したことのないもの、大きな変化を避けて、現状維持を望む傾向(バイアス)のことです。
人間は、変化に際してメリットとデメリットが存在する場合、損失を極端に恐れて、合理的な判断ができない傾向にあります。
これは、行動経済学のプロスペクト理論における損失回避性が関係しているからと考えられています。
※損失回避性・・・得をすることより損失を回避することを重視する傾向のこと
現状維持バイアスは人間の本能である
一般的に、現在でも残っている認知バイアスというのは、人間が生きるために有益であったものが多いです。
現状維持バイアスも、過去には、人間にとって必要なものだった可能性が高いです。
今日、明日の生活が保証されていない時代に、現状生きることが可能なのに、わざわざ危険を冒すのは、生存に不利です。
しかし、現代日本では、最低限の生活は、基本的に保証されています。
だから、時には現状維持バイアスに逆らって、変化を受け入れた方が、上手くいくこともあります。
現状維持バイアスに逆らう方法

バイアスを自覚する
まず、あらゆるバイアスに関して言えることですが、現状維持バイアスというものが存在することを知ることが大切です。
現状維持バイアスは、日常の様々な場面で働いているということを自覚し、自分の行動や考えを振り返ることができれば、バイアスに気づきやすくなります。
客観的に考える
何か判断をする時に、感情に任せるのではなく、データなどを基に、客観的に考えることで、現状維持バイアスの影響を受けにくくすることができます。
確立や統計を学び、日常的に様々な事柄を計算していると、客観的な判断ができるようになります。
最悪の状況を想定する
変化を恐れる要因の一つとして、「どんな損失があるかが分からない」というのがあります。
だから、事前に最悪の状況を想定しておけば、「意外と大したことない」と思えるかもしれません。
最悪の状況を想定して、「やっぱり危険だ」と思ったら、やめてもいいです。問題なのは、何の想定もせずに、単に「危なそう」という主観的な理由で変化を拒むことです。
変化に伴い、客観的に明確な危険がある場合には、変化を拒むことも大事な選択であることは、忘れてはいけません。
正常性バイアスについても知っておいた方が良いでしょう。
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