今回は、ニーチェの格言「神は死んだ」について解説していきます。
神は死んだとは?
「神は死んだ」という言葉は、ニーチェの著書『悦ばしき知識』(訳によって、『朗らかな知識』、『悦ばしき知恵』、『愉しい学問』などがあります。)で初めて出てきます。
「Gott ist todt! Gott bleibt todt! Und wir haben ihn getödtet!」
「神は死んだ。神は死んだままだ。そしてわたしたちが神を殺したのだ。」
引用元:『悦ばしき知識』
また、ニーチェの著書『ツァラトゥストラはこう語った』(訳によって、『ツァラトゥストラはかく語りき』、『ツァラトゥストラはこう言った』などがあります。)の冒頭にも、「神は死んだ」という表現が出てきます。
「この老いた聖者は、森のなかにいて、まだ何も聞いてはいない。神は死んだ、ということを。」
引用元:『ツァラトゥストラはこう語った』
「神は死んだ」の神とは?
「神は死んだ」という言葉における、『神』とはキリスト教やイスラム教、ユダヤ教などにおける神様のことではありません。
ニーチェの言う『神』とは、神の視点(絶対的な視点)のことです。
つまり、「神は死んだ」とは、「神の視点(絶対的な視点)は存在しない」ということです。
西洋の哲学はそもそも神学から始まったので、様々なことを説明するために、神の視点(絶対的な視点)が用いられていました。
だから、イデア論を基本とする、プラトン主義的な考え方を否定しました。
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