今回は、「バーナム効果」について、解説していきます。
あなたは、血液型占いや、星座占いを見て、「当たってる!!」と思ったことはありませんか?
これは、実は「バーナム効果」によるものなのです。
バーナム効果とは?
アメリカの心理学者ポール・ミールが、興行師 P・T・バーナムの “we’ve got something for everyone”(誰にでも当てはまる要点というものがある)という言葉に因んで名付けたものです。アメリカの心理学者バートラム・フォアの名をとってフォアラー効果とも言います。
バーナム効果とは、「多くの人に当てはまる一般的な性格の特徴にも関わらず、自分だけに当てはまるかのように感じてしまう現象」のことです。
バーナム効果は正しいのか
「バーナム効果」はどれぐらい信憑性があるものなのでしょうか。
ここで、一つバーナム効果に関する有名な研究を紹介します。
先程出てきた、アメリカの心理学者バートラム・フォアが行った実験です。
1948年、フォアは学生たちに性格について心理検査を実施し、その検査の結果に基づく分析と称して下記の文を与えました。
あなたも、自分にどれぐらい当てはまるか考えてみて下さい。
- あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。
- また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
- あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。
- 外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。
- 正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。
- あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。
- そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。
- しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。
- あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。
- あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。
どうでしょうか?「結構自分の性格を言い当てているな」と思いませんでしたか?
これが正に、「バーナム効果」です。
フォアはこの文章を星座占いの文章を組み合わせて作文しました。フォアは学生たちに分析がどれだけ自分にあてはまっているかを0(まったく異なる)から5(非常に正確)の段階でそれぞれに評価させた結果、平均点は4.26でした。その後、フォアはどの学生にも上記のようなまったく同じ分析を与えていたと種明かしをしました。
これで、ある程度バーナム効果の凄さが分かってもらえたでしょうか。
血液型占いについて
次に、バーナム効果の典型例とも言える、血液型占いについて解説します。
これから、A型、B型、O型、AB型のそれぞれの性格の特徴を書きます。
- A型・・・「真面目」
- B型・・・「好奇心旺盛」
- O型・・・「大雑把」
- AB型・・・「ユニーク」
これは、実はそれぞれ入れ替えても、多くの人に当てはまります。
なぜなら、上記の4つの性格の特徴は、血液型に関係なく、多くの人に当てはまる特徴だからです。
ほとんどの人は、ある程度「真面目」で、ある程度「好奇心旺盛」で、ある程度「大雑把」で、ある程度「ユニーク」なのです。
普段は不真面目な人でも、自分の好きなことや得意なことには真面目に取り組む人が多いですし、好奇心は人間に基本的に備わっているものです。
また、全ての物事を完璧にこなす人はいないので、大雑把な部分は必ずありますし、全く個性が無い人はいないので、全ての人がユニークな一面を持っていると言えます。
また、血液型占いには確証バイアスも関係しています。
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