今回は、ニーチェの思想全体について、簡潔に解説していきます。
より詳しく知りたい人のために、関連記事を載せておくので、良ければ見て下さい。
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ニヒリズム
ニヒリズム(虚無主義)とは、
今生きている世界や人間の存在には意義、目的、真理、本質的な価値などが何もない
と主張する考え方のことです。
ニーチェは、この現実の世界を超えたところに、超越的な価値(イデア・理想・理念)を設定するプラトン主義を批判し、超越的な価値というのは人間の理性が仮定した理想にすぎず、実在するものではないと考えた。
そして、
すべてが無価値・偽り・仮象ということを前向きに考え、自ら積極的に「仮象」を生み出し、一瞬一瞬を一所懸命生きるという態度(積極的・能動的ニヒリズム)が大切である。
また、ニヒリズムを克服するためには、超越的価値を、「存在しないもの」として徹底的に否定したうえで、「ありのままの現実の世界」で新たな価値を見出すことのできる超人を目指すべきだとした。
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永劫回帰
永劫回帰(永遠回帰)とは、
宇宙の全ての事象は永遠と同じものが同じことを繰り返している
という意味です。
永劫回帰はニーチェの哲学の中で最も重要とされています。
究極のニヒリズムである永劫回帰を克服するためには、無限に繰り返される無価値な人生という運命を愛し、今ここにある生を強く肯定する。
そして、ニーチェはこのように運命を愛することのできる人物を「超人」と呼びました。
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力への意思
力への意思とは、
つねに自己を超克・強化し、成長しようとする根源的な生命力に基づく意思
のことです。
生命の持つ意思は、絶えずより強くなろうとして力を目指し、あらゆる抵抗を克服して破壊と創造を繰り返すものです。
ニーチェは、力への意思を世界や歴史の根源的な原理とし、これによってニヒリズムを克服しようとしました。
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超人
超人とは、
性の根源的な生命力を発揮し、今までの人間や自己自身を超えでて、力強く成長する主体的人間像であり、ニーチェの理想とする人間のあり方
のことです。
ニーチェは、超人になるため3つの精神の変化をラクダ・ライオン・子供に例えています。
超人は素晴らしいものですが、誰もが超人を目指す必要はありません。そもそも、超人になるというのは、凡人には不可能と言ってもいいでしょう。
また、超人を理想の人間としたニーチェですが、平凡な人の価値も認めています。
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