ニーチェの超人とは?超人になるための3段階を解説

哲学
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今回は、ニーチェの思想の中でも、「超人」について解説していきます。

超人とは?

超人とは、

性の根源的な生命力を発揮し、今までの人間や自己自身を超え出て、力強く成長する主体的人間像であり、ニーチェの理想とする人間のあり方

のことです。

超人は「神は死んだ」、「普遍的真理などない」、「概念の世界に根拠はない」というニヒリズムの無意味さに耐え、そのうえで現実の中で自ら意味や目的を生み出し、新しい価値を創造するような力への意思を持つ人間のことです。

ニーチェは、著書『この人を見よ』の中で超人について語ります。

「超人」という言葉。これは、近代的人間、善人、キリスト者やその他のニヒリストと対立する、最高の出来の良さをあらわす言葉である。

引用元:『この人を見よ』

超人になるための3段階

ニーチェは、人類の精神の変化を、ラクダ・ライオン・子供の3つに例えた。

・重い荷物を背負うラクダの精神は、キリスト教の権威や伝統的な価値観が命じる「汝なすべし」という義務に服従する。

・自由な精神を持つライオンは、「我欲す」という意思に従って、自己を束縛する伝統的な価値観に反抗する。

・無心に遊ぶ子供は、おのずから転がる車輪のように、無意味なままに永遠に回帰する世界を肯定し、ありのままの無垢な存在の世界を遊ぶ。

つまり、超人は、ライオンのように伝統的な価値観を破壊し、自分の望むままに生き、そして子供のように無意味な世界そのものを肯定し、無心で遊ぶもののことです。

特に、子供のような精神というのは、大人には非常に困難なものです。

誰もが超人になれるわけではない

超人は素晴らしいものですが、誰もが超人を目指す必要はありません。そもそも、超人になるというのは、凡人には不可能と言ってもいいでしょう。

超人になるためには、永劫回帰や、究極のニヒリズムの克服という、非常に過酷な試練が待ち受けているのですから。

また、超人を理想の人間としたニーチェですが、平凡な人の価値も認めています。

ニーチェの著書『アンチクリスト』によると、

権利は特権である。それぞれの人には、それぞれの特権がある。平凡な人にも特権がある。そして、最も精神的な者たちは、そういった平凡な人が持っている特権を見くびることはない。

なぜなら、高い場所を目指す生き方というのは、上に行くにつれて冷気が増し、責任が重くなっていくからだ。高い文化はピラミッドのようなもので、広い地盤の上にのみ築くことができる。

だから、大勢の平凡な人たちの存在が大切なのだ。

ニーチェは凡人の価値を認めていました。凡人には凡人の良さがあると。

そして、上に立つ人間は、思いやりを持って凡人を大切に扱う義務がある。

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