イスラム教の聖典コーラン(クルアーン)は、イスラム教徒にとって最も大切なものです。
しかし、イスラム過激派の多くは、コーランの内容を理解していません。
過激派組織と宗教教育

宗教教育の年数を測定すると、図31に示すように、自発的新兵(VOLUNTARY)と強制新兵(FORCED)の両方が、平均して参照グループ(REFERENCE)の人よりも少ない年数しか受けていないことが分かります。

しかし、図32に示すように、自発的新兵と強制新兵は、それぞれ10章と6章のコーランの章を暗記していることが明らかになりました。
これはおそらく、彼らが当該暴力集団で過ごした時間が関係しています。
図32はまた、すべてのグループの暗記したコーランの章の分布が、下部(1章から10章程度)に大きく集中していることを示しています。
少なくとも6年間の宗教教育を受けたことが、サンプル内で、自発的新兵に見出される可能性を強力に低下させるものであることが分かります。
このモデルは、少なくとも6年間の宗教教育を受けた人は、過激派組織に参加する可能性が32%も低くなると予測しています。実際、この変数は、勧誘までの経路に焦点を当てたモデル2.1および2.2においても、統計的に有意です。

図33はこれらの調査結果をさらに発展させたもので、自発的な参加者の回答者の間でコーランの読み方と理解の間に明確なギャップがあることを示しています。
57%もの回答者が、まったく読まないか、読んだ内容を「あまり」あるいはまったく理解できず、14%の回答者は自分で読んだことがないのです。
「過激派への旅」の調査結果は、深い宗教研究よりもむしろ、(過激派の)教義を無批判に教え込むことが、サンプル内の勧誘の影響を受けやすいことを浮き彫りにしています。
これらの知見の解釈の前提となっているのは、コーランが通常古典的なアラビア語でしか読めないという状況下で、言語を理解できない人々は、宗教的学習のパイプ役として仲介者に強く依存しやすいという認識です。
宗教に関する知識が深ければ深いほど、過激派の解釈に疑問を持ち、議論することができます。
これらの知見は、暴力的過激主義に対する見解がイスラム教そのものに対する否定的な認識としばしば混同される、国際的にも国内的にも一般的な状況において特に重要です。
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