ハロウィーンの歴史の概説について(他の死者の祝祭を含む)

歴史
AD

今回は、ハロウィーンに関する出来事、死者の祝祭などが世界でどのように発展してきたのかの大まかな流れを解説します。

ハロウィーン概略史

紀元前1500年、エジプトの僧が『死者の書』を書いた。
・・・エジプトで死者を記念する最も古い祭典の一つである「死者の宴」が行われた。

紀元前939年、ティアナス王(第26代アイルランド王)の統治中に最初のサーウィンの記録が残されている。
・・・サーウィンはハロウィーンに最も大きな影響を与えたと考えられているケルト人の祝祭で、新年祭、収穫祭、(死者と霊に関する)宗教的祝祭という性格を持っていた。

400~500年頃、キリスト教がアイルランド島に普及した。
・・・キリスト教を普及させる際には、混合主義に則って、異教の慣習や伝統とキリスト教を融合させようと試みた例が多い。

538年、言い伝えによると、中国で初めて霊魂の祝祭(盂蘭盆)が催された。
・・・日本の盆祭りの由来と考えられている。

609年、教皇ボニファティウス4世が異教の万神殿(パンテオン)をキリスト教の聖堂に変え、万聖節を5月13日に定めた。
・・・万神殿(パンテオン)は元々、ローマ神話の神々を祀る神殿だった。

657年、日本で盆祭りが初めて記録された。
・・・日本の死者に関する祝祭。

731年~741年、教皇グレゴリウス3世が、万聖節を11月1日に移した。
・・・アイルランドの最大の祝祭サーウィン(10月31日の日没から行われた)を万聖節に取り込もうと考えて11月1日に移したと考えられている。

827年~844年、教皇グレゴリウス4世が万聖節を広く祝うよう命令した。
・・・万聖節は現代のハロウィーンに多大な影響を与えた祝祭の一つである。

999年~1003年、教皇シルウェステル2世が万霊節を承認した。
・・・万霊節は死者の魂のために特別な祈りを捧げる日である。

1487年、『魔女に与える鉄槌』が出版され、魔女狩りが本格的に始まった。
・・・ハロウィーンに「魔女」が頻繁に登場するようになったのは、魔女狩りや魔女裁判の後である。

1509年と1603年、ヘンリー8世と娘のエリザベス1世がハロウィーンに鐘を鳴らすのを禁止。

1585年、ハロウィーンにおける仮装が初めて報告された。

1605年、ガイ・フォークスが逮捕され、火薬陰謀事件が発覚した。(未然に防がれた)

1606年、ガイ・フォークスが処刑され、議会が11月5日を祝日にすると宣言した。

1647年、英国議会がガイ・フォークス・デイを除く全ての祝祭を禁止した。
・・・この際に、ハロウィーンの慣習の多くは一時的にガイ・フォークス・デイに引き継がれた。

1740年代頃、メキシコの祝賀、「死者の日」が初めて報告された。
・・・アステカ族の死者の祝宴と、キリスト教の祝祭が融合して誕生したとされる祝祭で、中南米の諸国で行われている。

1785年、ロバート・バーンズが『ハロウィーン』という詩を書いた。

1846年~1852年、アイルランドでジャガイモ飢饉が発生し、多数のアイルランド人がアメリカに移住した。
・・・この頃からアメリカでハロウィーンが普及していった一方で、英国とアイルランドでは衰退しつつあった。

1870年、『ゴウディーズ・レイディーズ・ブック』においてアメリカでハロウィーン・パーティーが初めて言及された。

1885年、ジャック・オー・ランタンがハロウィーンで使われたという初めての言及の一つが雑誌記事に掲載された。

1898年、最初のハロウィーン専門書『ハロウィーン:その祝い方』(Halloween: How to Celebrate It)が出版された。(マーサ・ラッセル・オーン(Martha Russell Orne)著)

1904年、最初のハロウィーン映画『神学校でのハロウィーンの夜』が公開された。

1912年、イリノイ州(アメリカ合衆国中西部)ダンヴィルの商店主たちが毎年開催の子供のためのハロウィーン仮装コンテストを始めた。

1916年、デニソン社が最初の営利目的のハロウィーン・コスチュームを使い捨ての紙で生産した。

1927年、いたずらをする時に、「トリック・オア・トリート」という言い回しがカナダのアルバータ州で使われた。

1931年、最初のハロウィーンアニメ映画『子犬のトビーのハロウィーン』が公開された。

1950年、子供たちによるユニセフのためのトリック・オア・トリートが初めて行われた。

1952年、ディズニーがドナルドダックのハロウィーン映画『Trick or Treat』(邦題「ドナルドの魔法使い」)が公開された。

1977年、映画『スターウォーズ』が公開され、ハロウィーンの仮装に対する大人の関心が高まった。

1996年、アメリカのハロウィーンの小売りが急成長し、25億ドルの消費によって、クリスマスに次ぐ2位の祝日となった。

参考

・ハロウィーンの文化誌 単行本 – 2014/8/21 リサ モートン (著), Lisa Morton (原著), 大久保 庸子 (翻訳)

・図説 ハロウィーン百科事典 単行本 – 2020/10/15 
リサ・モートン (著), 笹田 裕子 (翻訳), 安藤 聡 (翻訳), 杉村 使乃 (翻訳), 成瀬 俊一 (翻訳)

コメント

タイトルとURLをコピーしました