世界の国歌について紹介します。
今回は、マレーシアの国歌『我が祖国』を紹介します。
歌詞
Negaraku
Tanah tumpahnya darahku
Rakyat hidup
Bersatu dan maju
Rahmat bahagia
Tuhan kurniakan
Raja kita
Selamat bertakhta
Rahmat bahagia
Tuhan kurniakan
Raja kita
Selamat bertakhta
歌詞の意味
我が国 我が血の注がれし地よ
協調と繁栄と共に 民は暮らす
神より賜れし 祝福された幸福
我らの王に平和な治世あれ
神より賜れし 祝福された幸福
我らの王に平和な治世あれ
成り立ち
現在のマレーシアの国土では、かつて11の州がそれぞれの地域を治めていました。
そのため、マレーシアの前身であるマラヤ連邦として独立する際、全土をまとめる国歌を望む声が国民の間で高まりました。
初代首相のトゥンク・アブドゥル・ラーマンは公募によって新しい国歌を決めようとしましたが、514もの応募作があったにもかかわらず適切な楽曲が見つかりませんでした。
次に、海外の優れた音楽家に作曲を依頼しました。
その中には、後にシンガポール国歌を作曲したズビル・サイドもいましたが、ここでも納得できる作品を見つけることが出来ませんでした。
そこで審査委員会は、マラヤ連邦を構成する州の、州歌の中から伝統的なメロディーを残していて親しみやすいペラ州の州歌を選びました。
この州歌は元々、『明るい月』という題名が付けられたラブソングで、フランス人の作曲家ピエール・ジャン・ドゥ・ベランジェが、19世紀前半に作った曲だと言われています。
委員会のメンバーと首相自らが歌詞を書き下ろし、1957年8月にマラヤ連邦の国歌として発表され、後にマレーシアの国歌となりました。
現在は、『我が祖国』という題名で呼ばれています。
国歌の性質と法律
Negarakuの歌詞は、様々な人種、宗教、文化を持つ人々が、あらゆる分野で進歩を追求し、調和して生きることを促している。
神の恩寵により、国王、国民、そして愛する国が平和と繁栄に恵まれることを願うものである。ネガラクは当初、他の国歌と同様にモデラートテンポで演奏され、歌われた。
しかし、国の社会経済の発展に伴い、政府は1993年の建国記念日に合わせて、より速く、より元気なマーチテンポに変更しました。
国歌の演奏方法は、1968年に制定された国歌法に記載されてます。
同法によると、国歌は以下の3つのバージョンで構成されています。
・国歌の完全版または王室版
・国歌の最初の8行と最後の8行で構成される簡略版
・最後の8行からなる短縮版
国歌のどのバージョンが演奏または歌われるときも、出席者は敬意を表して起立しなければなりません。
国歌が放送される場合、国歌に対する敬意を示すことは期待されない。
公共の場で故意に国歌に敬意を示さない者は、100リンギット以下の罰金または1カ月以下の禁固刑に処することができる。
公衆の目から見て国歌を軽んじるように見える行為は、国歌を尊重していないとみなされる。警察官は、国歌を軽視していることが判明した者を令状なしに逮捕する権限を有する。
参考
・世界の国歌・国旗 単行本 – 2020/3/27 弓狩 匡純 (著)
・The National Anthem Of Malaysia – Negaraku
・Official Portal of the Petaling Jaya City Council. Retrieved 4 February 2022.
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