世界の国歌について紹介します。
今回は、パキスタン・イスラム共和国の国歌『神聖なる大地に祝福あれ』を紹介します。
歌詞
ウルドゥー語
كشورِ حسين شاد باد پاک سرزمین شاد باد
ارضِ پاکستان! تُو نشانِ عزمِ عالی شان
مرکزِ یقین شاد باد
قوّتِ اُخوّتِ عوام پاک سرزمین کا نظام
پائنده تابنده باد! قوم، ملک، سلطنت
شاد باد منزلِ مراد
رہبرِ ترقّی و کمال پرچمِ ستاره و ہلال
جانِ استقبال! ترجمانِ ماضی، شانِ حال
سایۂ خدائے ذوالجلال
歌詞の意味
※英訳を基に日本語訳したので、元の歌詞と多少意味が異なる可能性があります。
聖なる土地に祝福あれ
豊穣なる領域よ、幸あれ
高い決意の象徴
パキスタンの地
汝、信仰の城塞に祝福あれ
この神聖な土地の秩序は
人民の兄弟愛の力である。
国家、国、民族が
永遠の栄光のうちに輝いてください
我らが野望の目標に祝福あれ
この三日月と星の旗は
進歩と完成への道を開く
我らの過去の解釈者、我らの現在の栄光
私たちの未来のインスピレーション
全能の守護のシンボル
成り立ち
パキスタン・イスラム共和国の内務省は、「国歌は、国内外におけるセレモニーで自国もしくは外国の部隊が演奏するため、伝統的な旋律は保ちつつも外国人であっても容易に演奏できるものでなければならない」といった条件で広く公募しましたが、なかなか良い作品が集まりませんでした。
コンテストの数年後、1949年になってようやく、選定小委員会のメンバーであったアハマド・チャグラが海軍軍楽隊の協力を得て書き上げた楽曲が選ばれました。
歌詞は、コンテストに応募した723もの作品の中から、著名な詩人であったアブール=アサール・ハフェス・ジュルンダリーの作品が1952年に採用されました。
1954年8月に国歌として制定され、ラジオ放送を通じて初めて国民の知るところとなりました。
この詩には、ナスターリーク体と呼ばれるペルシャ・アラビア文字を改良した、手書きの書体が用いられています。
これは、パキスタン・イスラム共和国の公用語であるウルドゥー語です。
同じ文字なのでアラビア語が分かれば読むことはできますが、意味が異なっています。
この国歌は、パキスタンを信仰と自由の中心地、国民と国から引き出された美と強さの国として賞賛し、その精神を喚起するものである。歌詞は、国民生活のさまざまな側面に触れ、パキスタンの完全性を呼びかけている。
ウルドゥー語で書かれたこの国歌は、その簡潔さにもかかわらず、パキスタンの真髄であるイスラムの基礎、イデオロギー、志、そしてその真髄を讃える叙情的な作品として、ユニークな詩的構成になっています。
参考
・世界の国歌・国旗 単行本 – 2020/3/27 弓狩 匡純 (著)
・The Infomation Gateway to Pakistan National Anthem
・National Anthem of The Pakistani Federation
コメント