世界の国歌について紹介します。
今回は、大韓民国の国歌『愛国歌』を紹介します。
歌詞
1.
동해물과 백두산이 마르고 닳도록
하느님이 보우하사 우리 나라 만세
コーラス
무궁화 삼천리 화려강산
대한사람 대한으로 길이 보전하세
2.
남산 위에 저 소나무 철갑을 두른 듯
바람 서리 불변함은 우리 기상일세
(コーラス)
3.
가을 하늘 공활한데 높고 구름 없이
밝은 달은 우리 가슴 일편단심일세
(コーラス)
4.
이 기상과 이 맘으로 충성을 다하여
괴로우나 즐거우나 나라 사랑하세
(コーラス)
歌詞の意味
1.
東海の水が乾き、白頭山が朽ち果てても(※)
神のご加護がある我が国万歳
コーラス
無窮花、三千里、華麗な山河(※)
大韓人よ、大韓を永久に保存せよ
2.
南山の松が鉄の鎧を身にまとったように
風にも霜にも不変なのは我らの気性
3.
秋の広い空が雲一つなく澄み渡り
輝く月は我らの精神、誠実な心
4.
この気性とこの心で中正を尽くそう
苦しくても楽しくても、国を愛そう
東海・・・日本海の韓国での呼称。
無窮花(むくげ)・・・アオイ科フヨウ属の落葉樹。
成り立ち
韓国の国歌は『愛国歌』と呼ばれています。
祖国を思う歌は過去にも幾つか作られ、1902年には『大韓帝国の愛国歌』という歌が国家行事に演奏されたという記録も残っています。
1948年に大韓民国が成立するまでは、イン・チコウ(尹 致昊)が作詞した歌詞がスコットランド民謡の『オールド・ラング・ザイン』に合わせて歌われていました。
しかし、国を愛する歌詞を外国の曲に付けて歌うのはふさわしくないと、東京高等音楽学校(現在の国立音楽大学)でも学んだアン・イッテ(安益泰)が1936年に改めて『愛国歌』を作曲しました。
彼の代表作として知られる管弦楽曲『韓国幻想曲』の最後の章に、合唱曲として加えられたのがこの曲です。
アン・イッテは、1930年代後半にベルリンに渡り、有名な作曲家リヒャルト・シュトラウスから作曲と指揮を学び、アジア人として初めてベルリン交響楽団で指揮をとりました。
歌詞に出てくる「白頭山」は、朝鮮半島を代表する美しい山で、民族の心をつなぐシンボルとなっています。(白頭山は北朝鮮の国歌の第二節にも歌われています)
仮の国歌として制定されたのは1948年8月15日のことでしたが、祖国の統一を願う韓国と北朝鮮では、あえて『愛国歌』を法的な国家としては定めていません。
参考
・世界の国歌・国旗 単行本 – 2020/3/27 弓狩 匡純 (著)
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