世界の国歌について紹介します。
今回は、シンガポール共和国の国歌『進めシンガポール』を紹介します。
歌詞
マレー語版(公式)
Mari kita rakyat Singapura
Sama-sama menuju bahagia
Cita-cita kita yang mulia
Berjaya Singapura
Marilah kita bersatu
Dengan semangat yang baru
Semua kita berseru
Majulah Singapura
Majulah Singapura
歌詞の意味
シンガポール国民は
発展と繁栄のために団結しよう
我々の喜びは高い理想を持ち
シンガポールを成功に導くことだ
我々は皆一致団結して
明日への新しい活力を生み出そう
そして、皆で叫ぼう
進めシンガポール
進めシンガポール
成り立ち
『進めシンガポール』(Majulah Singapura)は、1958年にエンシク・ズビール・サイード氏によって作曲されました。
当時のシンガポール市長のオン・エン・グアン氏が、新しく改築されたビクトリア劇場を記念して、市役所の公式ソングを作らないかとズビール氏に持ちかけた。
ズビールは1956年から1957年にかけて、曲名の由来となった「躍進」と「シンガポール」という2つのキーワードを念頭に、この曲を書き上げました。
この曲は、まずシンガポール室内アンサンブルによって演奏されました。
その後、サイードが歌詞に変更を加え、メロディーを調整し、オリジナルの市議会バージョンから、現在のシンガポール国歌となったバージョンに仕上げました。
1959年12月3日、新しい国家元首であるYang di-Pertuan Negaraの就任式で、国旗と国章とともにこの国歌は披露された。
1965年にシンガポールがマレーシア連邦から分離独立すると、「Majulah Singapura」は新共和国の国歌として正式に採用されました。
2001年1月には、新たな編曲を施した国歌が発表されましたが、1年もの時間を費やして検討が重ねられたといいます。
公用語が4つもある多民族国家であるシンガポールの国民が一様に受け入れて、誇りを持って歌える荘厳なメロディーであること、また、ヘ長調で仕上げる、といった厳しい条件が政府から出されました。
数名の作曲家が競い合った結果、プーン・ヤン・ティエンのアレンジが選ばれ、シンガポール交響楽団によって録音されました。
英語、マレー語、中国語、タミル語が公用語となっているシンガポールにおいて、なぜ国歌はマレー語で歌われるのか問われて、トー博士(※)は以下のように答えました。
「国歌はこの地域の土着語であるマレー語であるべきで、英語はこの地域の土着語ではない。マレー語の国歌は、すべての人種に受け入れられると思います。そして、同時に覚えやすく、簡潔で要領を得たものでなければならず、歌えるものでなければならない」
※トー博士・・・トー・チン・チェ(Toh Chin Chye)。人民行動党の創設者の一人であり、副首相や大臣などを務めた。学者としては、1953年、シンガポール大学の生理学教室に入室後、副学長として新校舎の設立や高等教育の合理化に携わった。
参考
・世界の国歌・国旗 単行本 – 2020/3/27 弓狩 匡純 (著)
・ABOUT SINGAPORE National Anthem
・National Anthem – Majulah Singapura
・NUS Toh Chin Chye
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