世界の国歌について紹介します。
今回は、オーストラリア連邦の国歌『進め 美しきオーストラリアよ』を紹介します。
歌詞
1.
Australians all let us rejoice,
For we are one and free;
We’ve golden soil and wealth for toil;
Our home is girt by sea;
Our land abounds in nature’s gifts
Of beauty rich and rare;
In history’s page, let every stage
Advance Australia Fair.
In joyful strains then let us sing,
Advance Australia Fair.
2.
Beneath our radiant Southern Cross
We’ll toil with hearts and hands;
To make this Commonwealth of ours
Renowned of all the lands;
For those who’ve come across the seas
We’ve boundless plains to share;
With courage let us all combine
To Advance Australia Fair.
In joyful strains then let us sing,
Advance Australia Fair.
歌詞の意味
1.
全てのオーストラリア人よ、喜ぼう。
我々は一つであり、自由なのだから。
我々には黄金の大地と労苦に対する富がある。
我々の故郷は海に囲まれている。
我々の大地は美しく、豊かで貴重な
自然の恵みで満ちている。
歴史のページでは、あらゆるステージで
進め 美しきオーストラリアよ
喜ばしい旋律で歌おう。
進め 美しきオーストラリアよ
2.
輝く南十字星の下で
我々は心と手を合わせて努力する。
我らがこの連邦国家を
世界に名を知らしめるために。
海を渡ってきた人々のために
我々は限りない平原を共有している。
勇気をもって、皆で力を合わせよう
美しきオーストラリアへ前進させるために
喜ばしい旋律で歌おう。
進め 美しきオーストラリアよ
成り立ち
「Advance Australia Fair」の原曲は、1878年にスコットランド出身の教師であったピーター・ドッズ・マコーミックが作詞・作曲したもので、4節で構成されていました。
オーストラリアは、英国に統治されていた1788年から、1901年に独立した後も引き続き1974年まで、公式の国歌として英国の『女王陛下万歳』を用いていました。
しかし、独立国がいつまでも宗主国の歌を国歌としているのはおかしい、といった議論が巻き起こりました。
1973年、オーストラリア芸術評議会は、新しいオーストラリア国歌の歌詞と音楽を募集するコンテストを開催しました。
このコンテストには、1400件以上の作詞、1200件以上の作曲の応募がありましたが、審査員は、オーストラリアの伝統的な歌である「Advance Australia Fair」、「Waltzing Matilda」、「Song of Australia」の高い水準を満たしていないと判断しました。
その結果、オーストラリア芸術評議会は、国歌の最終的な選択をこの3曲の中から行うべきだと勧告しました。
その後、統計局が6万人を対象に全国調査を行ったところ、「Advance Australia Fair」が51.4%の人に支持され、次いで「Waltzing Matilda」が19.6%の人に支持されました。
1974年には「Advance Australia Fair」がオーストラリア国歌として採用されましたが、1976年には「女王陛下万歳」が復活しました。
1977年にオーストラリア選管が行った別の世論調査では、やはり「Advance Australia Fair」が国歌として好まれており(43.6パーセント)、次いで「Waltzing Matilda」(28.45パーセント)という結果になりました。
1981年、全国オーストラリア・デー評議会は、オーストラリア国歌を「Advance Australia Fair」の第1節と第2節に若干の修正を加えたものにするよう勧告しました。
1984年4月19日、当時の総督であるサー・ニニアン・M・スティーブン(Sir Ninian M Stephen)は、全国オーストラリア・デー評議会によって起草された「Advance Australia Fair」の曲と詩をオーストラリア国歌とすることを宣言しました。
2021年1月1日より、オーストラリア国歌の2行目の歌詞は、政府の助言に基づき、デビッド・ハーリーAC DSC(退役軍人)総督による公布により、「For we are young and free」から「For we are one and free」に修正されました。
参考
・世界の国歌・国旗 単行本 – 2020/3/27 弓狩 匡純 (著)
・Australian government Department of the Prime Minister and Cabinet AUSTRALIAN NATIONAL ANTHEM
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