対話形式でヒュームの哲学(の一部)を紹介します。
登場人物

最近悩んでいる大学生
哲学を学びたい

近世の哲学者デイヴィッド・ヒューム
イギリス経験論哲学の完成者
自我を疑う

大学生
はぁ・・・最近やる気が出ない

ヒューム
どうかしたのか?

大学生
僕は元々ダメな人間なんです・・・

ヒューム
自己嫌悪ってやつか。

大学生
自分が嫌になりますよ。

ヒューム
「自分」って本当に存在するのか?

大学生
急に何ですか。あるに決まってるでしょ。

ヒューム
じゃあ昨日の自分と今日の自分は同じだと証明できるか?

大学生
昨日の記憶がありますし、性格も昨日と変わってないです。

ヒューム
記憶や性格などを全て引き継いだ別人格かもしれないだろ?

大学生
反論はできませんが、信じられませんよ。

ヒューム
あくまでも可能性の話だからな。世界5分前仮説みたいなものだ。

大学生
世界5分前仮説って何ですか?

ヒューム
「世界は実は5分前に始まったかもしれない」という説だ。

大学生
あり得ないでしょ。

ヒューム
しかし、確実に否定することはできない。

大学生
昨日の記憶があるのに?

ヒューム
その記憶は5分前に世界が始まった時に植え付けられた偽の記憶かもしれない

大学生
屁理屈じゃないですか?

ヒューム
可能性の話だからね。絶対に正しいとも言えない。

大学生
何となく分かりましたが、結局何が言いたいんですか?

ヒューム
要するに、お前が気にしている「自分」も存在するとは言えない。

大学生
確かにそうですけど・・・

ヒューム
存在するかどうかも疑わしいものについて悩むのは馬鹿馬鹿しいと思わないか?

大学生
そんな簡単に割り切れないですよ。

ヒューム
気持ちは分かるが、「自我」の存在を疑えば、少しは悩みが減るだろう。

大学生
そうですね。あまり自我に執着し過ぎないようにします。

ヒューム
私の哲学が少しでも君の役に立ってよかった。
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