「無知の知」について吹き出しを用いて解説しています。
※投稿者の解釈は、一般的な学術書等の解釈と異なる場合があります。また、かなり簡単に表現しようとしているため、本来の意味が伝わらない可能性があります。予めご了承ください。
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登場人物

哲学を学びたい男子大学生(19歳)
高校までは真面目に勉強していたが、大学に入って目標を失ってからは怠惰な生活を送っている。

古代ギリシアの哲学者ソクラテス
倫理学の創始者
無知の知とは?

ソクラテスの「無知の知」ってよく分からないなあ・・・

ワシが教えてやろう

あなた誰ですか?

お前が考えていたソクラテスじゃよ。

ソクラテス?本物ですか?

正真正銘ソクラテス本人じゃ。

はぁ・・・一応信じますけど、何の用ですか?

だから「無知の知」についてワシが教えてやろうと言っておる。

「無知の知」って「私は何も知らないことを知る」という意味ですよね?

いや、その言い方だと誤解を招く

誤解?何か間違っているんですか?

「何も知らない」というのはあり得ない。例えば、「無知の知」の実践者は何も知らないわけではない。

知っていることがあると。

自分の名前や年齢、文字や数字など、知っていることはたくさんある。

言われてみればそうですね。「何も知らない」というのは生まれたての赤ちゃんぐらいでしょうか?

ある程度成長した人間なら、必ず何かしらは知っているものじゃ。

では、「無知の知」はどういう意味なんですか?

簡単に言うと、「自分には知らない事柄がある」ことを自覚するという意味じゃ。

人間が全知全能ではないことはほとんどの人が知っていると思いますが・・・

そういう意味ではない。自分がどのような事柄について無知であるかを自覚するのが大切なのじゃ。

要するに、「知ったかぶりをするな」ってことですか?

そうなんじゃが、完全に無くすのは難しい。人間は、無意識のうちに
「知ったかぶり」をしてしまう生物なのだから。
無知の知の効果

「無知の知」の意味は何となく分かりましたが、実際役に立つんですか?

当然じゃ。「哲学」と言うと、現実とは関係ない難しい話だと思われがちじゃが、実際は「どう生きるか」というような生活に役立つ知恵が多いのじゃ。

哲学って学ぶ意味があるんですね。

当然じゃ。哲学は本来「知を愛すること」が由来であり、全ての学問の基礎と言っても良い。

そんなに凄いものなんですか。ところで、「無知の知」を実践すると、何か良いことがあるのでしょうか?

第一に、「視野を広げる」ことができる。今まで知っているつもりでいたことに関して実は無知だったと気付くことで、新しい学びがある。

「知っている」と思っていたら、それ以上知ろうとしないでしょうからね。

第二に、謙虚になる。「自分にはまだまだ知らないことがある」と自覚するだけで、傲慢な態度を取ろうとは思わなくなるじゃろう。

確かに、賢い人ほど「自分は大して賢くないので・・・」とか言ったりしますけど、あれは自分の無知を自覚しているからこその発言かもしれないですね。

第三に、柔軟な思考が出来るようになる。「視野を広げる」と似ておるが、微妙に違う。「自分は無知かもしれない」と考えることで、一つの考えに固執せず、様々な考えを取り入れることができるのじゃ。

意外と役に立つものなんですね。

「無知の知」はあらゆる学問、分野で大切な考え方じゃからのう。

これからは、「無知の知」を忘れないようにしたいです。
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