今回は、毒親にどう対処すればいいのかについて、解説していきます
事実を受け止める
一番初めにすべきことは、事実を受け止めることです。
毒親に育てられた人の多くは、心のどこかで「自分にも責任があるのではないか」とか、「親も様々な問題を抱えていたから仕方がない」という風に思っており、毒親を100%悪者とは思っていません。
さらに、「自分が悪い子だから親も毒親になってしまったのではないか」と親よりも自分を責める人もいます。
しかし、毒親にどんな背景や事情があったとしても、「あなたの親はあなたにとって毒だった」という事実は変わりません。
職場でストレスが溜まっていても、夫婦関係が良好でなくても、自分にコンプレックスがあっても、うつ病だったとしても、子供に毒を与えていい理由には全くなりません。
子供は親とは全く別の人格を持った一人の人間であり、親の所有物ではありません。
事実を正しく認識できたら、次は自分をいたわり、過酷な環境で今まで生きてきた自分を褒めましょう。
毒親の下で、大人になるまで成長したこと自体が、凄いことなのです。
しかし、残念ながら親から十分に愛されて育った人は、この感覚を全く理解できない人も多いです。
なので、自分で自分を褒めてあげて下さい。
毒親が子供に与える影響についてはこちら
完璧な親はいない
「完璧な人間はいない」ということは、多くの人が理解しているでしょう。
同様に、完璧な親もいません。
完璧に見える親子でも、実は子供がかなり我慢していたり、家の中では虐待していたりします。
だから、「全ての親は毒親である」と言っても、決して過言ではありません。
もちろん、人によって「毒」の強さは大きく異なります。
しかし、1滴も毒のない親というのは、存在しないのです。
親を許す必要はない
世間の風潮としては、未だに「大人になったら親のことを許してあげるべき」と考える人が多いですが、そう考える人の大半は、幸せな子供時代を過ごした人たちです。
幸せな人たちは、幼少期から親に殴られたり、食事も与えられないような過酷な環境で育った人のことを本心から理解することは一生ないでしょう。
そして、昔は特に男性の場合、親子で一生同じ家で暮らすのが普通でした。
だから、親子の仲が悪いままでは都合が悪かったのです。
しかし、現在は核家族化が進んでおり、「一生親と一緒に暮らす」という人は少なくなっているため、大人になれば親と協力する必要はありません。
そのため、本人(子供)が望むのであれば、親を許さずに物理的に離れて暮らしても、何の問題もありません。
また、本人が「許した」と言っていても、本心では許していないことが多いです。
復讐は有効な手段なのか
近年、「毒親」をテーマにした物語が増えており、最後は毒親に復讐して終わるという話も少なくありません。
また、「実際に毒親に復讐した」という体験談も時々聞きます。
しかし、復讐は有効な手段とは限りません。
親から暴力を振るわれた復讐として、暴力を用いれば、自分も毒親と同じことをしていることになります。
そもそも、復讐したところで、多少気分が良くなるだけで、自分の幼少期の傷が癒されるわけではありません。
また、復讐したことを後悔する人もいます。
「対決」という選択
いわゆる「復讐」以外に、毒親と決着を付ける方法があります。
それが「対決」です。
これは、「毒親」という概念を始めて提唱したと言われる、スーザンフォワード氏の著書「毒になる親: 一生苦しむ子供」で紹介されたものです。
毒親との過去に決別するために、有効な手段であると述べられています。
この「対決」は復讐のようなものではなく、・親のしたこと、それに対する自分の気持ち(思い)、親との今後の関係(希望)などについて、親と対話するものです。
そして、この「対決」の目的は親と和解することではありません。
むしろ、「毒親」の多くは自分の非を認めず、子供に責任転嫁したり、子供を罵倒したり、「親も大変だった・・・」などと言って、同情を買おうとしたりして、子供と真摯に向き合うことはほとんどありません。
「それでは意味がない!!」と思うかもしれませんが、意味はあります。
それは、「現実を直視することです。」
「対決」前には、どれだけ過酷な幼少期を過ごした人でも、毒親に対して「改心して、謝罪してくれるかもしれない」という期待を持っています。
しかし、毒親の多くは自分の非を認めません。
毒親に期待してしまう人が現実を直視することのできる方法の一つが「対決」です。
子供が成人したら、親はただの他人です。絶縁しても、遠くに逃げても、何も問題ありません。
「対決」することで、毒親に期待するのを諦め、新しい出会いを探すことができます。
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